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安曇潤平「ヒュッテは夜嗤う 山の霊異記」

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ヒュッテは夜嗤う 山の霊異記 (幽BOOKS)ヒュッテは夜嗤う 山の霊異記 (幽BOOKS)
安曇潤平

メディアファクトリー 2013-05-31


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 自身も山と親しむ著者が描く、山ヤたちの怪談集。

(脳出血の既往が一致しているので)おそらく著者の体験であろう、生死の境界を綴る「呼ぶ声」がしんみりと良かった。
 怪談は「●●さんは、そのときー」みたいに、ノンフィクションによくある聞き書き形式が多いので、一人称=著者の体験と錯覚してしまうが、著者あとがきによれば<私の体験はほとんどない>という。道理で本書ではワタシ、ボク、オレと多彩な一人称の怪談語りが存在するわけだ。
 あとがきまで読まずとも、語り手の年齢がとうに還暦を越えており著者とは年代が合わない話や、「私」と名乗るとある語り手が女性の話を読めば、私≠著者であることは明白だろう。



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