![]() | ぼくがいま、死について思うこと 椎名 誠 新潮社 2013-04-26 Amazonで詳しく見る |
ふだんは明るいエッセイやスリリングなSFを書いておられるシーナの真面目な一面が見られる随筆。
しかし、本書以前の著作で既知の事柄も併せて思うに、このお方はあまりにも死にかけている。若き日の交通事故も危うかったし、外国で落馬したり車が横転するなど、ひ弱な人なら何度死んでいるかわからないほどの死地を潜り抜けてきてらっしゃるのだ。
だからこそ、いじめや自殺に関する提言は重みがあるし、彼の命や幸せを語る言葉はあんなにもキラキラ光ってうつくしいのだろう。
各国の死や葬儀に関する本がどしどし紹介されていくので、芋づる式に読みたくなって困る…『死を考える本』の読書ガイドとしても秀逸な一冊だ。