ちょっと不思議な味わいの短編集。
表題作は子の心が悲しい。やりきれない話である。
「飛行物体ルルー」UFOブームに振り回された二人の少女の物語。これはなんというか、好みじゃなかったな…現実の持ち込み方がいただけなくて。
「コスモス書簡」女のサガに怯える少年は…。これも好みではなかったな。イメージの妖しさは良かったんだけど。前半が三連続で鬱エンドなのはきつい。
「黄昏アルバム」中古カメラに写る奇妙な写真は何?これは楽しかった。ハッピーエンドとはいえないけれど、ヒロインの後悔がえもいわれぬ苦味となって残る。
「月光シスターズ」霊に付きまとわれた母の死の真相とは。オカルトミステリー。ショッキングなラストが余韻あとひく。
「スズメ鈴松」似ていない父と子の物語。これは素敵だった。本書は前半全く好みに合わなくてどうしようかと思ったが、後半盛り返して〆がこれならまあ満足。
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朱川湊人「サクラ秘密基地」
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