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京極夏彦「眩談」

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眩談 (幽BOOKS)眩談 (幽BOOKS)
京極夏彦

メディアファクトリー 2012-11-30


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 目眩を催すような短編集。

「便所の神様」臭い汚いクライマックス3Kな場所で見たものとは。ラストは某絵本を思い出した。

 ちょw装丁と字体凝りすぎてww微妙に読みづらいwwwww文字なんかブラウンだwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
いや、ほんと本文にグラデ乗せてあると、目眩がするほど読みにくいっす。

「歪み観音」突然ものが歪んで見えるようになった少女。ビジュアルを想像するのが大変だが、シュールかつコミカルでいて、非常に怖い。

「見世物姥」六年に一度の祭で、少年は…。何故忘れていたのかが解せない。ハレとケの対比が鮮やか。

「もくちゃん」そういえば我々の幼いころも、小学校の校庭に佇む謎のおじさんがいたなあ、と懐かしい思い出が蘇ってきた。…と、ノスタルジックに見せてこのラスト。衝撃的、タイトルに偽りなしだ。

「シリミズさん」彼女が実家をいやがる理由。いや、これは楽しい。本書収録短編の中では一番楽しかった。最後までわけがわからないのもまたいい。

「ほととぎす乃湯」ほととぎす、は漢字。うまく携帯から出せなかったんで、のちほど直す。悪夢の不条理展開に、鬱旅行をヴァーチャル体験できる。

「けしに坂」忘れたはずの記憶蘇る坂を上る男。哀愁漂っている。

「むかし塚」昔の思い出を埋めているうち、男はとんでもないものを掘り出してしまい…。

 ラストは記憶に関する二編で綺麗に締めくくられた。
 ハイパーリアルな、詳細な現実描写から、筆力と技巧で非現実の世界へジャンプするのが本書の魅力と思う。






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