 | 旅猫リポート 有川 浩 文藝春秋 2012-11-15 Amazonで詳しく見る |
好青年の宮脇は、けがした猫を拾い、ナナと名付ける。その後、宮脇はある理由から猫を飼い続けられなくなり、もらい手を探す旅に出るのだった。
最初は作者が旅先で出会った猫をリポートするノンフィクションなのだと思っていた。何の事前情報も得ずに読み始めたので…。
ぶっちゃけ、読んですぐに「星守る犬」の猫バージョンだな、と思った。ある事情でペットを飼い続けられることができなくなった男が、ペットと共に車で旅をする。だが、こちらがあちらと違うのは、おっさんのように選択肢を狭めていくのではなく、幸せになるための方策を常に探っていくところだ。
宮脇がとにかくイイ人すぎて、こんな好青年実在するのかよとは思うが、だからこそのラストは感動的。すいすい読めて、さっくり感動できるから、ふだん本を読まぬ小学生から熟年の人々、そして猫好きにオススメな一冊だ。
人気出そうだし、イケメンを主役にすえてドラマ化とか映画化したらいいじゃないかな。
p.s.猫が初めて海を見たとき、潮のにおいに言及しないのがちょっとだけ違和感…。