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大倉 崇裕
PHP研究所 2012-11-21
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越智健一という名前から、オチケン(落語研究会)に半ば無理やり入部させられた主人公と、先輩たちとのやり取りが素敵な連作ミステリー。
シリーズ三冊目。
田中啓文や愛川晶の諸作もそうだが、とかく落語ミステリーには面白いものが多い。本書も巻き込まれ型主人公のオチケン、岸・中村といったマイペースな先輩たちなどキャラ立ちが半端なくて、ライトに楽しめる。
作品中で紹介される落語も楽しく、時を経てきた文化ゆえに、ストーリーが練られていると感じる。
本書は大学内でのゴタゴタが主ゆえ、殺人などの派手な事件はない。血生臭い世界が苦手な人や、年若い人に薦めたい、ほのぼのしたムードある一冊だ。
シリーズ前作ではやなやつのイメージだった某キャラが、意外に侠気あるのに驚いた。学園長との対立必至な続刊が待ち遠しい。