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笙野頼子「猫ダンジョン荒神」

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小説神変理層夢経 猫未来託宣本 猫ダンジョン荒神小説神変理層夢経 猫未来託宣本 猫ダンジョン荒神
笙野 頼子

講談社 2012-09-28


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副題:小説神変理層夢経 猫未来託宣本

 齢五十を過ぎた作家は、家族たる老猫の介護にいそしむ日々を送っていた。実は作家の中には金比羅の魂が宿り、本来宿るはずだった魂はといえば…私小説風ファンタジー。

 すごい。なにしろ、御身が神なのである。ソウル双生児の如き存在も、また神なのである。作中でも[デムパ]と自称するように一見電波系の人の独り言にも見えなくもないが、本当に電波ならば、ここまで妄想を系統だって構築し、しかもそれを文学として世に著すことは難しいはずだ。

 猫神のかわいらしくもノリのいい御詞は、どこか町田康の饒舌文体を彷彿とさせるが、時系列的にはこちらが先なのだっけ。

 単独で読むより、「金比羅(*)」を代表とする著者の私小説サーガの一部として読む方が理解しやすいかも。


(*)金毘羅…ヒトの体に入ってしまったカミサマの人生語りファンタジー、のように読める文学。
金毘羅 (河出文庫)
金毘羅 (河出文庫)




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