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大学のオカルトサークル+後輩の女子高生の十一人は、集団自殺現場となった廃屋を訪ねるが、気づくと密閉された館に閉じこめられていた。そこで、夜が来るたびに仲間が死んでいき…心理サスペンス。
おおクローズドサークルだねミステリーの王道だね!
一人ずつ殺されていくことより、主人公である福永と、女子高生・藍の合理主義の鬼ぶりが遺憾なく発揮されていて怖い。彼らはあまりに冷徹で、サークルメンバーであっても死んでもいい人/死んでほしくない人を線引きして見ることができるのだ。
設定の似た「そして扉が閉ざされた(#1)」「インシテミル(#2)」との比較は、amazonレビューで既に多くの方が語っているので略す。
どちらかというと自分は情緒的な人間だから、亜実の言い分の方がもっともだと思えた。
ただ、いくら手引きがあったにせよ、無知な人の方が多い状況で、しょっぱなからゲームのルールに従うのにはリアリティを感じない。ここはミステリらしく、全員一カ所で固まって過ごすのが道理じゃないか(それだとゲームにならないけれども…)?
仲間うちで疑心暗鬼に陥る様子は、映画「遊星からの物体X(#3)」のようで楽しかった。
p.s.二カ所ほど、「タナトス」が「タトナス」になっていた。重版からは直っているんだろうか。
(#1)そして扉が閉ざされた (講談社文庫)

岡嶋二人の傑作。脱出への努力がちと長すぎる気もするが、真相があまりにせつなく、余韻が残る。
(#2)インシテミル (文春文庫)

莫大な報酬につられた人々が明かす恐怖の夜。よりゲーム的で、本作に近い味わいか。
(#3)遊星からの物体X(復刻版)(初回限定生産) [DVD]
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名作映画。たいへん素晴らしい。まだ見ていない人は、人生を損している。