虫が大嫌いである。なのに、よく虫にとまられることが多い。気持ち悪くておぞましいやつらではあるが、よく知ってみれば平気になるかもしれない…と、虫の本を読んでみた。
まずは、こちら。
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人と虫との関わりを説くノンフィクション。文明との関連中心なので、虫の生態や科学的な記述は物足りないかもしれない。
実はひっそり食べ物に混入している虫たちや、食用になる虫の章は、苦手な人にはちょっとしたホラーだろう。
それにしてもヴィクトリア朝で貴婦人がドレスに生きた虫を縫いとめていたのにはビックリだ。女=虫嫌い、って文化じゃなかったんだね。
生きた虫は苦手でも、私はハチミツを食べているし、シルクの服を着ることもある。ふと思い立って、今使っているクリームの成分表示を見たら、【ミツロウ】と書いてあった。嗚呼。
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昆虫標本がバシバシ載っている。載りまくっている。
見たこともない、奇怪な姿のドデカイ虫がわんさかで、怯えつつも楽しんだ。巨大ナナフシとかトゲトゲギスとか、実際に見たら悲鳴を上げて逃げるだろうなあ。
巨大ゴキブリは、家ではなく森を住処にしているとあって、安堵。
不気味な虫だけではなく、中東にいるというカラフルな紅のセミや、モルフォ蝶など構造色の美しい種も多々載っており、虫の美に目をみはるページもあった。
写真だけではなく、採集こぼれ話もあって面白い。
本書の特徴は、実物大一覧ページがあること。ここに載っている昆虫は、現実味を失うほどに大きい。日本にいる昆虫の概念をくつがえす連中ばかりである。どれだけデカいんだよ、と天を仰ぐこと請け合い。私は日本に生まれて、まだよかったのかもしれない。