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東野圭吾「歪笑小説」

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歪笑小説 (集英社文庫)歪笑小説 (集英社文庫)
東野 圭吾

集英社 2012-01-20


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 小説業界の内幕を描く短編集。
 とはいえ、作家や担当者などの登場人物は全編共通しているため、架空の文壇世界の広がりを楽しめる。誰がモデルか邪推するのも一興。

 この「●笑小説(#1)」のシリーズ(?)は久しぶりに読んだが、あいかわらずブラックだ。
 読書人としての良心をも冷酷に打ち砕いてみせる「伝説の男」はアイロニーが効いていて、これは創作ですよね?モデルがいるとしたって、デフォルメしてるんですよね??と問いかけたくなってしまう。

 続く「夢の映像化」では、自作に思い入れのある作家と、そうでもない担当編集とのギャップがヒヤリと怖い。
 著者のファンのみならず、作家志望者なら目を通しておくと良いのではなかろうか。


p.s.熱海圭介の本、読んでみたいなマジで。辻村深月「V.T.R.(#2)」みたいに、書いてくださらないかしら。



(#1)怪笑小説 (集英社文庫) 毒笑小説 (集英社文庫) 黒笑小説 (集英社文庫)
 どれも皮肉がまぶされていて楽しめる。

(#2)V.T.R. (講談社ノベルス)
V.T.R. (講談社ノベルス)
 架空の人気作家の受賞作という体裁で作られた書物。目次や著者の一言まで作られていて凝っている。




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