映画「女子高生のはらわた」

女子高生のはらわた [DVD] TOブックス 2012-01-27 Amazonで詳しく見る

【注】AVではないがグロ映画です

　殺人上等の暴力娘、ひたすら真面目なだけの娘、ホラーフェチな娘などなど、女子高生たちがさらわれてきたのはとある実験施設。彼女たちは精神を支配する音波によって、自我を失いゾンビのように殺し合うが、正気を保った一部の女子高生たちは施設からの逃亡を目論んでいた。

　西村組の若人のインディーズ作だが、レンタルにあったので借りてきた。
　犬のヒラキ（？）が出てきたところまでは期待していたのだけど、そこからがなんともかんとも。共感できる人間が誰もいないのだよね。
　妊婦ちゃんはワザワザ藪の奥へ逃げる「１３金」の被害者のように都合よく酷い目にあうし（壊れた原付にあんなに執着する理由がさっぱりわからん）、真面目ちゃんも真面目なだけでキャラが弱いし、ホラーちゃんは美女だし掘り下げたらステキと思うのだがすぐに退場するし、ヒロインらしき暴力ちゃんは感情移入を拒むプッツン娘だし。

　映画って、誰かオキニの人物に共感しながら私などは見るんだけど、本作ではそういう人物がいないので、神の視点で誰もを等しく均等にボンヤリ見るしかない。なので、妊婦の悲劇もさらっと流れて行くし、誰が死のうと誰が助かろうと、《ふぅん》以上の感情を持ちにくい。
　西村監督作品で言うならば「東京残酷警察」のルカや「ヘルドライバー」のキカのような、魅力的かつ応援したくなるようなキャラがいれば違うのにな、と思う。

　人体破壊はあまりよく見せてくれないが、見どころはモップと妊婦の残酷シーンくらいか。戦闘シーンにあまり新味はなかった。

　おまけの「血まみれ風呂屋」に至っては、ストーリーはないも同然。ひたすら半裸の女がうろつき、エログロならぬグロエロ満載で、トップレスの女たちがぱんいちで暴れているところしか見るものがない。そのものズバリのそういうシーンもあって、うぉー違うんだーグロが見たいんだーこんなエロなぞイランのじゃーと思ってガッカリしてしまった。
　あと、短編なのに回想シーンを多用すると、見ている方の集中力が切れて内容をグダグダに感じるということがわかったw

p.s.両目がつぶれるシーンはかろうじてあるけれど、とくに「死霊のはらわた」っぽいテイストではなかったな。
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