竹書房主催の怪談師コンテスト書籍化。
各予選ごとの進行ゆえ、読者もコンテストを仮想体験できるのが楽しい。
第1章 東京予選会
小森「上階の女の子」頭をクラクラさせるオチにモヤモヤと不安募る。
夜馬裕「家族石」タイトルでネタがバレてしまうのが勿体無い。だいたい、怪談は〈実話なのだし〉と下駄を履かせて読むことが多いのだけど、本作は創作掌編としてもイケるほど秀逸だ。
シークエンスはやとも「引っ越し」軽快で、あまりにも鮮やかな怪異。こういう話、好きだなあ。
第2章 大阪予選会
石野桜子「喫煙室」御本人の体験ゆえか、実にリアルな肌触りの怪異。
第3章 ファイナル第1ステージ
匠平「生贄」これ、会場でナマ聴きしたらゾーッとするのでは。
壱夜「牛のキーホルダー」後味の悪さがあとを引く。
第4章 怪談最恐位決定戦
シークエンスはやとも「夢」男性なら恐ろしくなる…!
第5章 怪談再恐戦投稿部門
緒方あきら「仕事の夢」どちらが本当の顔なのか、どこまでが夢なのかドキドキする。
鈴木棒「オーバーラン」ショッキングな怪異のビジュアルが目に浮かぶよう。
音隣宗二「血の契り」ええ話や…。
井川林檎「行き着く」滑らかな語り口がステキ。