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黒木あるじ「黒木魔奇録」

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黒木魔奇録 (くろきまきろく) (竹書房文庫)黒木魔奇録 (くろきまきろく) (竹書房文庫)
黒木 あるじ

竹書房 2018-07-30


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 著者の怪談活動(?)再開!完全復活!!

 となるめでたい(*)一冊である。

 業界の末席を汚す私にとって、衝撃だったのは冒頭のたたみかけるかのような傑作掌編の連発。とくに、最初の一編は一単語の無駄、隙もなく、〘怪談の書き方〙講座のテキストがあれば掲載必須なレベルの作品と思った。


「ほんね」 短く鮮やかな切れ味。掌編怪談の手本の如き逸品。

「57」 定番の怪談と思わせておいて、ラスト一行が複雑な味わいを醸し出す。

「みる」 イタコのお婆がいじらしい…。

「アキ」 転がるように、ラストまで堕ちていく。


 あと、タイトルを挙げるとネタバレになるため伏せるが、怪異の体験者や場所がつながる話は著者の得意とするもので、積み重ねの後に明かされる関連には多大なインパクトがあった。


(*)アンソロ参加はあれども単著は久しぶりだった。内容は死と呪いに満ちているが、怪談ジャンキーにとっては祝福以外の何ものでもない。



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