![]() | 拝み屋怪談 鬼神の岩戸 (角川ホラー文庫) 郷内 心瞳 KADOKAWA 2018-06-15 Amazonで詳しく見る |
女性霊能者により消える女性にまつわる案件が持ち込まれ、手を引けとアドバイスする著者。しかし、依頼者はドツボにはまっていき…。
メインの案件が小出しにされる過程に、拝み屋稼業の小ネタがはさまれていく構成の妙よ。小ネタを味わいつつも、ええいメインディッシュはどうなった!?と、先が気になること請け合いだ。
私的お気に入りの小ネタはこちら。
誘い香 親の気持ちを思うとやるせない…。
洟提灯 ユーモラスなイメージが一変する瞬間が恐ろしい。
読み終えてみればメインの“鬼神”の正体には拍子抜けしたけれど、ヒトのあさましさ、それを経てなお輝く前向きな女性の姿が心に残った。
そして、文学的というのか修飾が多かった文体が、今回シンプルかつスムーズでとても読みやすかった。今までよりも、このスタイルが好みだなあ。
p.s.私も副業が怪談ライターなだけに、著者の御守購入したい気持ちはあるのだが、タバコアレルギーのため踏み出せないでいる…タバコ粒子が皮膚に付くと腫れたりかゆくなる体質なので…。