Image may be NSFW. Clik here to view. ![]() | 無戸籍の日本人Image may be NSFW. Clik here to view. ![]() 井戸 まさえ 集英社 2016-01-04 Amazonで詳しく見る |
離婚後300日以内に生まれた子は、前夫の子と推定され前夫の戸籍に入る…離婚した著者は、現夫との間の子を出産するが、前の夫を父と推定しなければならない【民法772条】に疑問を抱いた。法を変え、無戸籍の人々を支援しようと奮戦する著者のノンフィクション。
民法の知識がほとんどない私だが、この法律のおかしさは理解できる。
なんと、この民法は明治時代に書かれたのだから。当時なら、妊娠判定薬もDNA鑑定もなく、親子関係は〈推定〉するしかなかったのだろうが、平成の現代にまでこの古色蒼然とした民法をあてはめるのは、いかにも無理がある。
本書の前半は著者自身の不条理な体験や、無戸籍のまま成人した人々の壮絶なドキュメントが胸に迫る。よく言われることだが、本書でも〈お役所〉の対応はマシーンのようで非常に冷たい。社会的に弱い立場の人々に暴言を吐くなど、こういった役人気質の改善はできないものか…。
後半は、民法を改革するために著者が議員となって政治活動を行ったり、NPO法人を立ち上げて無戸籍者の援助にあたる様が書かれている。
p.s.親の負債を子に負わさないことには賛成(というか是)だが、本書に出てきた無理解な役人の発言と同様、私もただ一点、理解できないことがあった。
離婚後、一年未満で次のお子さんを出産されるのは何故?ということ…家族計画は…いや、授かりものだから?…ごめんね想像力がなくて。