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「獄・百物語」全話感想その1・平山夢明/山下昇平

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獄・百物語 (竹書房文庫)
獄・百物語 (竹書房文庫)
 不肖わたくし、参加させていただいた本は全話感想を書くことにしておるので、今回もヒトコト感想をあげていこうと思う。

 本ではランダムに掲載されているが、感想は著者別にまとめさせていただくことにした。まだ本書を未読で、どれがどなたの作品か知りたくない!という方は、ここで回れ右していただきたい。


平山夢明 賞賛する言葉も見つからぬほど、とにかくすばらしい。

「兎」過去の何気ない一言がもたらした、とりかえしのつかぬ祟り。淡々とした無駄のない文章から醸し出される、このねっとりとした空気感は何なのだろう。一読して、総毛立つ感覚に襲われた。
「怪談本」全部とまではいかないが、もろもろの怪談本を読んできた私でも、該当する話は未読である。
「濃いもの」這い寄る混沌とはこのことか。
「指」母の涙が哀しすぎる…。
「たくはいびんです」その正体が何であれ、用心するにこしたことはないと痛感させられる。


山下昇平 芸術家としての名声もさることながら、「FKB饗宴」で氏のワクワク感あふれる怪談に惚れ惚れとしたわたくしは、いつか氏の文章作品をまとめて読んでみたい!と熱望していたのであった。今回その願いが叶ってとてもうれしい。
 一枚ずつ、雰囲気たっぷりのイメージイラストが掲載されているのもみどころ。

「目ヤニ」イメージ鮮やか!
「牛と巨人」く、件…!!
「小部屋の像」イラストが恐ろしい!!不気味極まる怪異が夢に出そう…。
「カリカリ」読んですぐ、「死んだ猫に同情するな」という警句を思い出した。
「時の焦点」確かに、恐竜なら見てみたい!!!
「銀の盆」イラストでは華麗なる怪異であるが、実物ははたして…?

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