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今年だからこそ、読んでおくべき震災の記録

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前へ!―東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録
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麻生 幾

新潮社 2011-08


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 未曾有の震災、そして原発事故に立ち向かう勇者たちの肖像。
 
 私は寡聞にして、東北で三十年周期の地震・津波が来るということを知らなかった。だって、何かの際に見た地震保険の掛け金別地図でも、一番高いのが東海地方だったし、東北の地図は空白だったからだ。来ることは99%わかっていた、と本書にてお役所は言う。ならば、なぜ津波の見積もりができなかったのか、対策がとれなかったのかと悔やまれてならない。

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遺体―震災、津波の果てに
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石井 光太

新潮社 2011-10


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 東日本大震災後、釜石へ飛びボランティアによる遺体搬送と身元確認活動、火葬から供養までを取材したノンフィクション。

 自らも被災しながら、死者の身元判明に尽力された歯科医や市役所の方々の活動には、感動の涙を禁じ得ない。

 同じく新潮社か刊行された、自衛隊活動を綴った麻生幾「前へ!」および、医師・歯科医師の活動を綴った海堂尊監修「救命」と併せて読まれるべき書物だろう。

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河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙
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河北新報社

文藝春秋 2011-10-27


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 自らも被災しつつ、地元紙ならではの情報発信にこだわりを持って闘った、誇り高い新聞社の記録。

 物資不足の中、地元の人々のために、隣県と協力しページ数を減らしてでもたゆまず新聞を発行し続けた感動の記録である。
 社員400人ぶんのおにぎりを造り続ける女子部があったりと、報道の華やかな部分だけではなく目立たぬ裏方にまで焦点をあてているのがすごい。

 ただ、報道第一のために、『SOS』を掲げた屋上の人々の写真をヘリコプターから撮ったカメラマンは後でつらい思いをすることになる。この箇所は私も読んでいていたたまれない気持ちがした。なぜ、救助より先に飛ぶのが報道なのか? 報道と同時に救助を行うことはできないのか? 報道とは、報道の意味とは何なのか? 答えは、出ない。



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