![]() | 田舎の刑事の好敵手 (ミステリ・フロンティア) 滝田 務雄 東京創元社 2014-12-22 Amazonで詳しく見る |
妻の尻に敷かれてはいるが、推理力だけはすごい小心者・黒川鈴木を中心とするユーモアミステリ。
本書はシリーズ第三作。一作目を読んだとき、キャラは楽しいがミステリ分が弱いと思った。しかし、続く二作目はキャラの勢いはそのままに、ミステリ分が濃厚になりとても面白かった。
ところが…本作は、キャラのバカバカしさはアップしたものの、ミステリ分はまたもや薄くなってしまった。
日常部分にも伏線があるとはいえ、事件らしい事件が起こるのはページを半分弱も過ぎたところである。そこまでは、犬とおやつの取り合いでマジ喧嘩をするなど、まるでマンガと言ったらマンガに失礼なほど、ドン引きバカバカしいエピソードてんこもりなので、本を投げそうになった。
まあ、ギャグは好き好きなのでキャラのファンなら読了できると思うが…一つ気になったのは、主人公の黒川が、やたら軽傷でも救急車を呼ぶこと。ギャグ小説にマジレスは良くないかもしれないが、仮にも警官なんだから、ギックリ腰くらいタクシーか何かで病院に行ってもらいたい。安易に救急車を呼びすぎるので、医療者のはしくれとして読んでいてイライラしてしまった。
p.s.期待の新キャラについては、あまり印象なし。これ以上、ストーリーに茶々を入れるだけの人物を増やしてどうするんだ…。
メインの謎が弱いので長編はツラいかも。短編連作は楽しめたのだがなぁ。