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西澤保彦「探偵が腕抜きを外すとき」

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探偵が腕貫を外すとき探偵が腕貫を外すとき
西澤 保彦

実業之日本社 2014-03-13


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 お役所の人間ながら、非凡な推理力を持つ腕貫探偵シリーズ。
 
 思わせぶりなタイトルから、腕貫探偵終わっちゃうの…?!と心配したが、杞憂だったようだ。

「贖いの顔」オカルティックな謎がきちんと現実にオチるのはいいけれど、動機にちと無理があるかしら?しかし、バーガーとカレーが美味そう。

「秘密」不倫の果ての凶行。追想のせいか、どろどろとした真相もどこかロマンティックな空気に包まれていて、その空気感が面白かった。

「どこまでも停められて」自暴自棄になった男の悩みをさくっと解決。血なまぐさい話が多い本書の中で、これのみ日常の謎系でほっこり。キャラ立ちも抜群だった。

「いきちがい」幼稚園の同窓会で掘り起こされたタイムカプセルが、悲劇を引き寄せる。これは殺人そのものよりも、人間関係の冷え込みぶりが怖かった。

 本書はカバーイラストがライトなキャラにマッチしていて楽しい。続編も、ぜひこの路線で!


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