![]() | 天才たちの競演 1 (ビッグコミックススペシャル) 伊藤 潤二 浦沢 直樹 北見 けんいち 小学館 2014-02-28 Amazonで詳しく見る |
ビッグコミック創刊45周年(私より年上だ!!)を記念して出版されたアンソロジー。
それでは、収録作を一言感想で。
北見けんいち「昭和トラベラー番外編」
あ、「釣りバカ日誌」のひとだ、くらいの認識しかなかったが、読んで感動。漫画家人生をざっと振り返る中に強い気持ちがこもっている。たいへんにいい漫画で、奥さまへの想いが素敵だ。
浦沢直樹「怪獣王国」
日本が怪獣被災国となり、海外から観光客が押し寄せる、という「MM9」っぽい設定。特撮風の雰囲気盛り上がるのだが、なぜあの人があんなコトに…?!愛の力で済ますには、多大なクエスチョンマークが頭を舞う。
伊藤潤二「盲点のビーナス」
本書を買った理由、その2(その1は後述)。
医者の娘はすごい美女で、彼女のサークルに男たちが群がり…実に〈らしい〉ホラーものだ。バッドエンドながら美とせつなさを盛り込んだストーリーは一読でも忘れがたい。
原秀則「ハートボール」
本作は原作付き。ストレートなビジネス・サクセスストーリーながら、興味ない読者をも引き込む攻勢がさすがである。
能條純一「ラスト・ファイト」
私にとっては初見の漫画家さん。物悲しいボクサーのお話で、劇画タッチ。
諸星大二郎「闇綱祭り」
本書を買った理由、その1。
奇祭を取り上げた作品で、諸星ファンならモーたまらない。本書の白眉であった。
萩尾望都「福島ドライブ」
歌をフィーチャーした社会派イラストコミックなのだった。高潔な意志を感じるが、ストーリーものでなかったのは、ちと残念。